鋭い打球で細かく得点を重ねた藤枝明誠、7回コールドで知徳を下しベスト8

 つい2週間前に開幕した静岡大会もベスト16が決まって、この日の4回戦からはサバイバル戦となっていく。夏の大会でも一番苦しい胸突き八丁と言ってもいいであろうか。

 昨秋と今春の県大会を制して、この夏も優勝候補の一番手と目されているシード校の藤枝明誠としても、ここから先は決して安易な戦いではないであろう。その藤枝明誠に挑む知徳は、アメリカンフットボール部などの活動も含めて、スポーツで躍進する私学の一つでもある。この春は東部地区予選で都立富士に敗れて、県大会進出がならなかった。それだけに、この夏に賭ける思いは強いはずである。

 ここまで2試合コールド勝ちで進出してきた藤枝明誠。まずは、シード校としても安定した戦いぶりを示してきたが、この日は今大会初先発となるエースの小林 輝だ。初先発ということもあってか、立ち上がりには少し硬さもみられたようだ。そこを知徳に攻められ四球と盗塁などで二死三塁となったところで、渡邉に左越え二塁打を浴びる。知徳の先制という形で試合が動いた。

 しかし、藤枝明誠もその裏すぐに一死からいずれもフルカウントから粘った末の3連続四球と5番西岡の左犠飛で同点とする。さらに、中野が一、二塁間を鋭く破ってタイムリー打として逆転となった。光岡孝監督は、「前の試合で見た時よりも、金具君が非常に良くて、これは少し手こずるぞと思っていました。先制もされました。だけど、打線が低めの球をよく見極めてくれました。これは、貰った四球ではなくて奪った四球です。それを生かせたのがよかった。これで点を取れなかったらズルズルと行ってしまい、また違った展開になっていたと思う」と、初回の攻防を振り返っていた。

 2回以降は、小林も本来のテンポを取り戻してきて、足をヒュッと上げて、小気味よく投げ込んでくる投球リズムが戻ってきた。そして、2回には自らが右翼へソロホーマーして自分を楽にした。

 3回にも藤枝明誠は一死から4番川瀬以下、西岡、中野と3連打するなどしてチャンスを広げて、スクイズが失策となるなどで、さらに2点追加。ここで知徳の初鹿文彦監督は金具を諦め髙木を送り出す。その髙木に対しても、4回にも一死二、三塁からスタメン唯一人の2年生青木の左犠飛でさらに1点追加。

 5回にも今大会当たっている中野が、この日も3本目となる安打を放つなどしてチャンスを作り、一死満塁から1番宮城が左前打で2者をかえした。

 藤枝明誠の各打者は「低い打球を強く打って行く」ということを徹底しており、長打は「出会いがしらですね」(光岡監督)という小林のソロホーマーのみだったが宮城、中野の3安打に象徴されるように、鋭い打球が光っていた。

 知徳は、4回に二死走者なしから佐藤の左前打と、宝田の左越え二塁打で1点を返したもののそこまでだった。結果的には、藤枝明誠の鋭く振り抜いていく打線が知徳の4人の投手を攻略した。

(取材=手束 仁